モラハラの被害者の方には、自分が「被害者」だと認識できない方が多くいます。
モラハラと一口にいえど、様々なパターンがあり、自分が受けているものがそれに該当しているか判らないという人もいるでしょう。
それが、モラハラ被害者が被害を認識でいない理由でもあります。
この記事では、モラハラ夫や妻にありがちな特徴をまとめました。
モラハラ夫・妻の特徴を押さえて、自分が「モラルハラスメントを受けている」ことをまず自覚できるよう、確認していきましょう。
Contents
モラハラ夫・妻の典型的な特徴とは?
モラハラ夫という言葉はよく耳にしますが、近年では女性が男性に危害を加えるケースも増えています。
女性だけでなく男性も、パートナーの行動に疑問を感じたら、「そもそもモラハラにはどんな特徴があるのだろうか?」と典型的な特徴と照らし合わせてみてくださいね。
モラハラの特徴1.パートナーを馬鹿にする
一番典型的なモラハラの特徴です。「誰のおかげで食えてると思ってるんだ」「こっちは仕事してきてやってるんだぞ」と妻を威圧したり、「給料が少ないくせに」と夫をないがしろにしたり。
こうした発言は、モラハラばかりではなく経済的DVにもあたります。
他にも「母親のくせに」「こんな趣味バカじゃないのか」等、個人の人格を否定するような発言を延々と続けます。
そして言われ続けているうちに「私はダメな人間なんだ」と自己否定するようになり、益々精神的に追い詰められていきます。
そんなモラハラ夫の決め台詞は大体「この家から出て行け!」「もう離婚だ!」です。モラハラ夫は、パートナーは精神的にも経済的にも、自分がいなければ生きて行けないと思い込んでいるので、平気で「離婚だ」を口にします。
長くモラハラを受け、自分が自活できないと洗脳されてしまっている妻は、「私がいけなかったんだ」と思って泣くのが精一杯です。
ここではあえて、妻が被害者という立場で表現しましたが、男性も被害を受けるケースがあります。
妻が夫に対して「お前はできそこないだ」「無能で使えないやつだ」と暴言を吐くのも、もちろんモラハラにあたるのです。
モラハラの特徴2.他人にもヘイトスピーチを浴びせる
これは私が受けていたモラハラです。
特殊な例なのか、モラルハラスメントについて調べても、どんな専門家の記事にもほとんど載ることはありません。
誰しもニュースを見て、「これだから〇〇な奴らは困ったもんだ」ぐらいのことは思うでしょう。
しかし、他人の人種や宗教、職業、性的趣向、容姿、出身国等を悪し様に言い続けるのを延々と聞き続けなくてはならないのは、精神的にかなり苦痛です。
しかも「クソどもは全員抹殺せよ!」なんて雄たけびを、食事の席で、子供の前で浴びせ続けます……。
テレビや身近な人に対して、ヘイトスピーチを繰り返したり、飲食店などで店員さんに対して、ひどい言葉を浴びせたりしてはいませんか?
本人の目の前で発言しなくても、度がすぎる場合、モラハラといえます。
でもこれも、聞いているうちに「こういう人と結婚した私の責任だから、私が我慢するしかないんだ」という、洗脳状態に陥ってしまう危険性があるのです。その証拠に私は夫と離婚を決意するまで、何十年もの時間を費やしました。
https://dv-sos.com/2019/04/09/morahararikon-2/
モラハラの特徴3.無視や態度で威圧する
モラハラを受けているパートナーも、最初から無抵抗でいるわけではありません。
どうしてそんな酷いことを言うのか、何が不満でそんなことを言っているのか、冷静になり、理路整然と「あなたがどんな酷いことを言っているのか」を説明しようとします。
しかし暴力を振るわないモラハラ夫・妻は、自分は絶対的に正しく、間違ったことなど微塵も行っていないと思い込んでいます。
そうなってしまった夫・妻のとる態度は無視、要するに「会話の拒否」です。
モラハラ夫・妻には、相手の話を聞こうという意思がありません。
それでもどうにか会話に繋げようとすると、最終兵器の「嫌なら出て行け!」です。
そんな風に威圧されたら、こちらはもう我慢するしかありません。
ちなみに私の場合は、「〇〇(特定の国)が嫌いなのは仕方ないけど、大声で叫ぶことないんじゃない?」と窘めたら「五月蠅いっ!俺は真実を語って世に知らしめているだけだ!それの何が悪い!」と怒鳴られました……。とんでもないマイルールですよね。
モラハラの特徴3.普段は温厚なのに豹変する
これは本当に不思議な現象です。こうしたモラハラ夫・妻に限って、外での評判は良好だったりするのです。
私の時もそうでした。離婚の為に引っ越しの業者に来てもらった時、当然近所中の人が寄ってきました。
仕方なく事情を話すと「そんな人には見えないのにねぇ。あんな温厚そうなパパがねぇ」と驚かれたのです。
実際私の主人は、旅行に連れて行ってくれたり食事に誘ってくれたりと、普段は妻思いの優しい夫でした。
モラハラ夫・妻はその時の気分次第でモラハラのスイッチが入る生き物のようです。恐らく家庭という外界から隔離された自分だけの城に入ると、専制君主にでもなった気分になるのでしょう。
被害者がモラ夫や妻と離婚できない理由とは?
第一の理由は、先述した「洗脳」にあります。
人格を否定される酷い言葉を浴びせ続けられているうちに、「私がいけないんだ」「私はダメな人間なんだ」「私はこの人から離れたら生きて行けないんだ」という意識を知らずのうちに埋め込まれてしまうのです。
また、モラハラ夫・妻は、突然優しくなることがあります。私もそうでした。
労わって温泉に行こうなんて言ってくれたり、時には同じお笑い芸人の話で和やかに過ごす時間もあったりしたので、「あの苦痛の時間さえ私が我慢すれば」と思っていたのです。
突然優しくされて「もしかしたらいつものモラハラも、やがて収まってくれるかもしれない」と希望を抱く人もいるでしょう。時々垣間見せる優しさに拘束され、離婚まで考えが及ばなくなってしまうのです。
だからこそ「おかしい」と思ったときには、第三者に相談してください。
スキルのフリーマッケット、ココナラでは離婚相談やモラハラ相談なども出品されています。
身近な人にはなかなか相談できない問題だからこそ、オンライン上で匿名性が保たれるサービスを活用して、まずは『モラハラ被害を受けていること』を認識しましょう。
モラハラ夫や妻は子どもにも危害を加える
これは一番注意して欲しいことです。
モラハラ夫・妻は目に見える物理的暴力を行わない分、子供に被害を与えても平然とした顔をしています。
我が家の例ですが、中学校に入り、娘の成績が著しく下がりました。
丁度親にも口ごたえをする年頃になっていたので、成績のことを咎めても娘は知らん顔です。
主人は突然怒りだし、「このアイドルのせいでお前の成績が下がったんだ!」と娘の大好きなアイドルのポスターを破ってしまいました。
後日、「流石にあれはやり過ぎだよ」と窘めた私に彼が言い放ったのはこんな言葉でした。
「別に破くつもりなんかなくってさ。間違えて手が滑っただけなんだよ」
あまりにも子供じみた言い訳に、私は絶句しました。自分を正当化するにも程がありすぎます。
モラハラは、自分だけが我慢すれば解決するものではありません。どうか被害が子供に向かう前に、我慢するのを止めて下さい。
長きにわたる洗脳は解けにくいけれど……
皆さんは、結婚何年目になりますか?五年ですか?十年ですか?
私は自分がモラハラを受けていると気づくのに、17年かかりました。
モラハラ夫・妻の精神的攻撃は、「こんなことを言われているこちらが悪いんだ」という意識を植え付けます。
その意識はモラハラに反撃する気力を失わせ、更なる被害をあなたに与えます。こうして負の連鎖が続くうちに受けた洗脳は、解こうと思って簡単に解けるものではありません。
でも解決の糸口がないわけではありません。何度もお話したように、一人で悩まず行政の相談窓口に行くのもいいですし、距離を取るために一時的に実家やネットカフェに逃げ込む人もいるようです。事例によってはDVシェルターを利用することもできるようです。
私は夫から逃げるために離婚を選択しました。不登校の娘を抱えて定職にも就けない不安な状況ですが、夫からの暴言(特に娘への虐待暴言)を聞かなくてもいい日々は、それだけで安らぎます。
モラハラ夫やモラハラ妻からの洗脳やトラウマは、解けにくいかも知れません。でも、解けない洗脳もありません。